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定例会講演 


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space第7回 (2005.2.26)
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space第6回 (2003.1.31)
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space講師 中畑 清氏space
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日本,千葉経済現状と課題
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space講師 古賀邦彦氏space
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小沢日本一新と小泉改革
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space講師 平野貞夫氏space
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space第3回(2002.2.23)
space市民の志が社会を再生
    前編  後編
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space講師 片岡 勝氏space
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space第2回(2001.12.22)
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space第1回(2001.10.27)
spaceイスラムと
非イスラムの中で
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space講師 花岡郁安氏


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space2001.10.27space
space「イスラムと非イスラムの中で」
講師 東京家政大学文学部 教授 花岡郁安
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プロフィール

  東京家政大学文学部教授。

  1965年 〜2001年    NHK社会部、国際部記者を経て
                       NHKロサンゼルス支局長、バンコク支局長。
  2001年4月より現職

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ご紹介頂きました花岡と申します。
昭和40年に私は早稲田大学を卒業しましてNHKに入りました。
はじめ、社会部という所で、いわゆる事件記者をやっていたのですが、ある時突然「外信部へ行け」と言われまして、最初に日本語しかできないという事でとばされたのが、ソウルでありました。1年おりまして、アメリカ、アジア、中東の方へと移るのですが・・・。

岡島君というのは、面倒見が良いというか気配りができる男なのですね。私とニューデリーの特派員と岡島君と、3人で今から12年前の1989年、ソビエト軍が、結局アフガニスタンの支配ができず撤退をしたその時、3人でアフガニスタンに入りましたが、岡島君は、東京からスーツケースいっぱいの日本のご飯、ラーメンをたくさん持ってきてくれたのです。

私はアフガニスタンには、初めて行ったのですが、岡島君はその前、何度かアフガニスタンに入っているので、現地の事情をよく知っていた。要するに、食事が確かにまずいのです。
現地の食事は、あの、羊の肉か、何だか串焼きみたいなヤツ。タレもまずい。焼いた物に塩胡椒をかけただけ。口にねじ込むという感じの食事しかない。とてもじゃないが日本人には合わない。そういう時に、岡島君がスーツケース丸ごと日本食を持ってきてくれた。非常に有難かったですね。我々があそこで生き延びたのも、そのおかげではないかと。またその時、もし日本に帰ってNHKをクビになったら、ここで自分達が味付けしたラーメンを、「アフガンラーメン」として売ろうじゃないか、と話をしていました。


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それからしばらくして、岡島君が選挙に出るということを、今年の初めでしたか聞いて「えっ」と思った。お父さんがお父さんだから、そういう事もあるか、と思っていましたが。
この3月に、私の退職と岡島君の出馬ということで我々の仲間が盛大に会をやってくれた時に、岡島君から、7月の選挙には必ず応援に来てくれと言われました。私も、NHKの職員の立場なら応援は出来ないけれど、もう身分が変わればいいだろう、と岡島君のためなら何でもやりましょう、と言ったのですが、残念ながら7月から8月いっぱい、私は早速、大学の仕事を言いつけられてカナダに行ってしまって、選挙期間中応援することができませんでした。

カナダでFAXを貰いまして、1万票弱の「差」だったと、本当にあと少しだったんだなぁ、と思いました。私が応援に行っていたら、判りませんが、もう少しは縮まったか、逆転できたか!と、ちらっと思いました。今日は、こういう事を頼まれまして、岡島君のためなら何でもやりましょう、ということで馳せ参じました。さて、今日は正直言ってどういう方が集まっておられるか、よくわからないのです。私は皆様がアフガニスタン、あるいはイスラムのどういう事に関して、どういう知識があるのか、よくわかりません。それで、これから時間の制約もございますので、ごく一部ではございますが、お話しいたします。


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国際問題、政治問題、経済問題というのは 非常に身近な問題、当たり前の問題なのです。私は、4月から大学で教えるようになってから、愕然とした。それは 女子大という事もあるのでしょうが、今の大学生というのは、自分の身の回りのことに関して本当に無関心なのです。
政治、経済、国際、社会問題。小泉首相だという事は知っているけれども、あとは本当に関心がないですから、4月に教鞭をとるようになってから、学生の諸君には一日一回でいいからNHKじゃなくても、久米さんの番組でもいいから、ニュースを見て欲しい。何とか新聞を読んで欲しい!、テレビ欄ではなくて、一面、社会面を必ず読んで欲しい、とすっぱくお願いしたが、なかなか関心がない。

私は、ある時、大学で東条英機の話をした。
その時、皆の顔を見たら何か反応がにぶい。「あれっ?」と思って、私は皆に「君達、日本人だよね」と思わず聞いた、東条英機を知らないのです。ある学生が「確か、2・26事件の・・」と、まぁ、当たらずとも遠からずといいますか、多少なりとも、そういう事が頭に入っているのかな?と、ある意味ではホッとした。
そしたら、別の方から「私 西城秀樹なら知っている」この野郎、俺をおちょくっていると思ったんです、初めは。我々は 東条英機から西城秀樹への連想は絶対にない。しかし、おちょくっていると思いながらも、あれ、ひょっとしたら、と思って、東と西だけの違いなのですね。僕らの頭の中には漢字で入っているから、どうしても連想がいかない。
西城さんは西のお城ですよね。ヒデキも違うでしょ。いずれにしろ、漢字が違うから我々は連想がいかないけれども、若い女の子は、その語感からくるのですかね。「トウジョウヒデキ」から「サイジョウヒデキ」これも、柔軟な頭なんだなぁと。

要するに我々の頭だとかなり硬直していますが、やはり18、19才というのはまだまだ柔らかいんだな、と逆に感心しました。
しかしそんな事で感心してばかりはおられない。
この間、お茶の水女子大学の先生とお話ししたのですが以外や以外、お茶の水の学生の中の30%が、「三分の二」という「概念」が解らない人が結構いる。三分の二というのは、どの程度だろう?と考える子がいるのだそうです。

今、日本の大学生の程度というのは、かなりレベルが情けないほど落ちてきた。昔の大学生のレベルに達するのは大変です。4月から教壇に立って、どうやればこの子達の関心が世の中の事に向ける事ができるのか?携帯電話、化粧とか、そういう物から多少なりとも、政治、国際問題に向ける事ができないだろうか?と考えながら、夏休みに入ってカナダに行って帰ってきました。


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さて、9月末からの講義をどうしようかな、と思った時にこれが始まった。9月11日。それでひょっとしたら、ひとつのきっかけになるかもしれないと思った。本当にそうなった。後期の授業が始まって最初に「君達の夏休みの最大の出来事は? 記憶に残っている事はなんですか?」と言ったら全員が9月11日の事を言った。
正直言ってテロはいけないが、私にとってこの出来事は授業の題材になると思った。もちろん、テロは絶対にいけないことなんですが、これをきっかけに皆が授業に関心をもってくれれば、それに越した事は無いと思いました。

それからは、(時事英語の授業として)毎日この話をしていますが、関心が非常に高い。こういう事が一つ起きると派生的にどんどんと、国会ではどんな議論をしているのか等々、発言するようになってきた。女の子はちょっとしたヒントを与えると反応が良いですね。
自分達の今、日本の政治がどうなっているのか。このままいくと、ひょっとしたら憲法改正までいってしまうかもしれない。
自衛隊というのは、憲法9条のおかけで胸をはって堂々と表通りを出て、おりません、ね。日本ではそれである程度はいいかも知れない。
自衛隊がでてくるのは救助の時だけですね。

しかしひょっとすると、これを機会に憲法改正とか、再軍備とかそういう道に行ってしまうかも知れませんよ。そうしたら20歳前後の君達の今から20年、25年後の子供はどうなっているかわかりませんよ。皆さんの子供がひょっとしたら兵隊になっているかもしれない。アフガニスタンに派遣されるアメリカ軍人達と同じ立場になるかも知れません。
そういう事に非常に子供達も大いに関心をもっている。
また新聞もよく読むようになった。テレビをよく見るようになった。
私の授業としては、これはある程度良い機会だなぁと思ってます。


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タリバンは皆さんご存知ですよね。「タリバン」というのはどういう意味かと申しますと、アラビア語で「生徒」なんです。
なぜ今、タリバンが出てきたか、を簡単に説明します。

岡島君と私とは、1989年にアフガニスタンに取材にいきました。その時は、ソ連がそれまで10年間に渡ってアフガニスタンを支配しようとしていた。そして結局、失敗してうなだれて帰っていった。その時なんですね。
その後アフガニスタンはめちゃくちゃな内乱が続いた(その前もだが)。内乱というのは、日本の戦国時代を思えばよいと思いますが、その各地の部族が部族ごとに対立している。すくなくとも、ソ連に対しゲリラ戦争していたときでも、パキスタン側には7〜8つ、イラン側には5〜6つ、全部で十数個の派閥があった。

アフガニスタンの、カルマル政権が戦っていたのですが、肝心なソ連軍がいなくなってから、その部族同士が対立するようになった。これは日本の戦国時代とまったく同じ。それぞれが国を取りたい。大統領になりたい。権力を取りたい。これはなかなかそういう訳には、いかないのです。アフガニスタンというのは、日本の国土の1.7倍。ところが、人口は2,000万人あまりしかいない。その2,000万人あまりの中に部族が、細かいものをいれると50くらいある。それぞれ言葉も違うし、宗教はイスラムで統一されていますが、イスラムの中でもその宗派は違う。
いずれにしろ、なんとか、自分達が取りたい、とお互いに争う。


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1989年、ソ連が撤退した後、それぞれが勝手なことをした。
例えば、何かを運ぼうとする時、そこで部族ごとに通行税をとるようにする。道路も通れない。それでやっぱり争いますから。
争いごとは、暴力とか略奪がつきまとう。アフガニスタンは無法地帯になった。誰が統治しているかわからなくなってしまった。
そういう状況につけこんだのが隣のパキスタン、その裏にはアメリカがいた。

大混乱をしていたアフガニスタンから、難民が流れ出た。イランにも。
特にパキスタンには200万から300万人が流れた。そういう子供達が教育を受けた場所が、パキスタン政府が作った宗教学校。その生徒達がタリバン。パキスタンが後ろ盾になってパキスタンの意志にそうような政治をする連中を育てた。そして、アフガニスタンの中に入れた。

送り込まれたタリバンは非常に純粋なのです。世の中のことはあまり知らない。要するに、イスラムの教えが全て。それ以外のことについては知らない。そういう清教徒みたいな非常に宗教的に清らかな連中が、アフガニスタンに戻った。もちろん、戦った。一般の国民からみると、今まで残虐暴行の限りをつくしてきた部族間の争い。そういう連中に悩まされていた国民にとっては、そういう人を排除してくれるタリバンというのは非常にすがすがしく映った。大歓迎されました。

悪いことをしてはいけない等、イスラム教だって勧善懲悪とまでいかないけど、いろんなことを教えている。それに従って国民を指導している。国民がこれまでいた、ならず者を追いやってくれた良い人たちということでタリバンを受け入れた。そして、タリバンが上手く政権を支配することになった。


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彼らは非常に真面目な人たちです。何をしたかというと、イスラムの教えに従って人間は平等だと説いている。しかし、男女の格差ははっきりさせている。厳密に解釈すれば、女の人は男の人に従わなくてはならない。女性の権利を認めていないのは確かです。ですから女は教育を受けてはいけない。働いてもいけない。ということは、結婚している女性は良いですよね。ご主人が食べ物を持ってきてくれるから。ところが、結婚していない女性の人はどうしたら良いのか。結局、乞食になるしかない。乞食になっても、女の人が町をふらふら出るのはけしからん。追いやられる。女の行き場が無くなった。タリバンの政権は初め歓迎されて、よかったけれども、非常に国民の間で不満がでるようになった。特に都市部の不満が大きくなった。これは日本も都市部と農村部って非常に違いますよね。農村部はどちからというと保守的ですよね。都市部は改革に乗りやすいですから。タリバンも地方には非常にいい。ところが、カブールとか、いろんな大都市では、ある程度西洋化。今のままじゃいけないのだ、と十分に感じていた。そういうことからタリバンは特に都市部に嫌われた。嫌われてもタリバンが何故・・?

それは強権政治なのです。ようするにタリバンに反する者はしょっぴくぞ! 昔の日本の特高よりもひどかった。事あらば、即公開処刑。そうすると、国民は怖いから従わざるを得ない。パキスタンにしても、そんなはずじゃなかったと思ったわけです。そのタリバンが結局、オマサ・ビン・ラディン氏を匿った。

もともとは、彼はアメリカに親しかった人なのです。また、元々悪かった人ではない。またこれもイスラム教徒として、過激派に属するということだけなのです。要するに、サウジアラビアの中で、湾岸戦争時に、サウジアラビア政府がアメリカ軍に基地を貸したのは、けしからんということが、反米になった一番最大の動機となったといわれている。いずれにしろ、イスラム教徒はひょっとしたらモハメッド以来の何か非常に大きな宗教的な意味のある何かをやってくれる人ではないかと、見られている節はある。オサマ・ビン・ラディン氏は金持ちの一部なんだけど、ただ、彼の場合は金持ちだからといって、そこでのんびり過ごそうとせず、宗教活動に力を入れている。サウジアラビアから追放され、亡命したスーダンからも追放され、行き場が無くなってアフガニスタンに逃げ込んだ。アフガニスタンでは、タリバン、これは昔からの付き合いがあるから、アフガニスタンは歓迎した。現にタリバンの最高指導者であるオマルさんは親戚関係。


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オサマ・ビン・ラディン氏がタリバンの中にいる。それで今回のテロを起こしたのだといわれている。これは本当に、多分そうだろうと思いますけど、だけど本当なんですか、とやっぱり私は少し不安がある。先程も岡島君が話したように、9月11日、テロが発生したあと、2日後にはもうブッシュ大統領は名指しした。しかも、オサマとそれを匿った者も同罪であると。確かに、あの言い方をみてますと、テキサスのカウボーイだなと思いますが。しかし、そのカウボーイに乗っちゃったのが小泉さんなんですね。本当にこんな事でいいかなぁ、いいのかなぁと思っているうちに、何かわからないけど、とんでもない方向に向かっている可能性、おそれがあるような気がします。

72%の支持率の小泉さん、ブッシュ大統領は、なんと90%以上。そこまでいったら支持率というものじゃなく、すえ恐ろしい。私は小泉さん、ブッシュ大統領の二人の顔を見ていますと似たもの同士。あんまり、たいした政治家じゃないなぁ。私は顔相学を見るわけでないですが、やっぱり、政治家は人を引き付ける、あるいは、リーダーシップを発揮する何かが顔に表れると思うけど、何か、ブッシュ大統領、小泉さんには 政治家としては、ちがうのかなぁ、という気がする。アメリカにしっぽを振ると言ったら失礼だが、アメリアがオサマの仕業と言ったから、「show the flag(旗を見せろ)」と言ったらからといって舞い上がってしまったのは、小泉さん。「旗を見せろ」というのは、旗色を鮮明にしろ!敵か見方か、はっきりさせろ!という意味・・最近別の意味があるらしいが。そんな事、日本に対して、日本は安保条約があるので、敵も、味方もあるわけない。味方に決まっている。それを言われたからと言って、日の丸をみせなくてはいかんのか?それで、急きょ、名古屋の小牧基地から、8機の飛行機をパキスタンへ飛ばした。あれ、なんだったんですかね。今もって、不思議。あんなにあわただしく日の丸つけた飛行機がパキスタンに行って、荷物を降ろした。これが、日の丸見せた事になるのですかね?私には解らない。何の為にあわたただしく行ったのか。


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もう一つ、今回のテロ対策特別措置法。昨日、国会を通りましたが、これは、なんだろう?自衛隊派遣の事前派遣の承認ではなくて、国会の事後承認で良いという。こんなばかげた事を。自衛隊というのは、純粋に考えれば、自衛隊が大手を振って大通りを歩くような国になってもらっては困る。この動きを見ていると、これは、ひょっとしたら、そうなっていくのかな?

憲法9条はアメリカに押し付けられたものにせよ、非常に純粋な気持ちが述べられている。要するに、日本は戦争で丸焼けになった。大敗した。もう、こんな戦争は起こすまい!その軍隊を持たないようにと、一種の虚脱感から生まれたもの。押し付けられたものかもしれませんが、そこに書いてあるのは、人類として得た、非常に高邁な哲学かもしれない。やっぱり、ひょっとしたら、それをもっているのは日本だけかも知れないので、大事に、大事にしても、いいのでは。

今、特に仮想敵国なんて、無いですよね。一番危ないのは、北朝鮮ですよ。北朝鮮といっても、日本に攻めて来る訳が無い。アメリカが後ろにいるのですから。正直言って、日本はアメリカを上手く利用すればいい。アメリカは非常に力はありますが、独立して220〜230年しか経っていない、まだ若い国。ある意味では馬鹿正直な部分がある。私は、20回以上渡米し、4年間住んでいましたが、そこで感じることは、アメリカは非常にいい国ですけど、かなりアホな国でもある。アメリカのやっていることがすべていいと思っていたら、とんでもないことになる。やはり、若い国だけあって「若気のいたり」というのがある。最たる「若気のいたり」は原爆投下です。と、同時にベトナム戦争をやった事です。


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ひょっとしたら、今度のアフガニスタンも、最大の誤算かも知れないと思う。世界の警察官のような感じがアメリカにはある。自分の国と外国との区別がつかないところがある。日本では、国際化ということで、国際という言葉をよく使うが、アメリカに行きますと、インターナショナルと言う言葉をほとんど聞かない。聞くとしたら、飛行場ぐらいですかね。なぜかと言うと、アメリカの街も、州もUSAも世界も、自分達のものだから、自分達の尺度ですべてをはかろうとする。とんでもない事まで、ちょっかいを出す。それだけのパワーがあるという事でもあるが、なぜ、そんなに出すのか?

昔、ユニタリータックスというのができた。ある企業がアメリカに営業所を出すとそこの利益だけでなく、その会社全体に課税できるという、とんでもない税制ができたことがある。その時、いろいろな国がその税制に対し訴訟を起こしたりしたが、南太平洋のバヌアツという国に、IBMの支店があり、その国がそういう税制がある事を知りIBM全体の利益に課税をした。その国の1500年分ぐらいの税収に相当する額を請求した。そこでアメリカは、自分の国がとんでもない事をしているのだなと気がつき、その税制を撤廃した。アメリカは以外とばかな事をやる。その国に、何も考えずポン!と乗るのは輪をかけてばかではないか?日本がちょっとおかしくなったのは、湾岸戦争からなのです。あの湾岸戦争の後、魚雷を片付けるという事で、掃海艇を日本は出しました。あの地域に日本のタンカーが通るからという大義名分がありました。あの時始めてですね。危険地帯(戦争をやっていた地域)まで、自衛隊が行ったのは。ところが、今はテロ対策特別措置法というやり方で、国会の承認を待たずにどんどん、出られるようになった。どこまで行くのか?非常に不安です。

私は大学の教授であるから、あまり言えませんけれど、おかしな世の中になっている。テロというのは許すものではないが、ひょっとしたら、伊藤博文を自分達の意志と反するものと理解し、テロリストではあるが、韓国では大英雄となった安重根(あんじゅうこん、伊藤博文をハルビン駅頭で暗殺した朝鮮の独立運動家)と同じかもしれない。テロは怖い。怖いけれど、アメリカに乗ってしまっては、テロの対象。日本で、東海、東北、山陰新幹線でテロが起きたら、日本経済はおしまい。本当に起こってもおかしくない。不平、不満を持つ者はいっぱいいる。


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最後に私が申し上げたい事は、イスラムに対する偏見が生まれるのが怖い。去年、世界の人口が60億に達した。そのうち12億がイスラム教徒。原理主義というのは、その教えに忠実な信仰をする人たち。ほんの一握りの人たちが、まわりを否定しとんでもない事を起こしてしまうのは確か。しかし、99.9%は正直なところ非常にいい人たちです。私がイスラエルにいた時、多くのユダヤ人、パレスチナ人(イスラム教徒)と知り合いになりましが、ユダヤ人よりパレスチナ人の方がはるかに、一緒にいて心が休まる非常に温かい人たちです。イスラム教全体が決して悪ではありません。先ほど言いましたように男女の事はありますが、人間はみな平等とうたっており、カースト制度のあるインド(タイの南部でも)で、下層の人たちの中でイスラム教が広まっている。イスラムが進むと、イスラムによる議会、警察、裁判など、イスラム教そのものが生活になってしまう。イスラムは政教一致であり(コーランに行政の事も入っている)、それが浸透してしまうと我々のような生活をしている者からすると、確かにちょっとこわいところはあるが、決して悪い人たちではない。

私は、アメリカが振り上げた手をどうやって下ろすかを見ていますが、これは宗教戦争です。その原因は1948年のイスラエルの建国にある。悪の根源といっていい。戦争に勝ったアメリカとイギリスが、当時イギリスが統治していた地にイスラエルというユダヤ教徒の国をつくってしまった。この問題が解決しない限りテロは続く。私は、以前から冷戦が終わった後は、イスラム対非イスラムの戦いになると漠然と言っていましたが、今回、現実に起ってしまった。パレスチナ問題といっているが、これはイスラエル建国問題なのです。確かに聖書にも載っている地ではあるが、紛争がおきることが目に見えるところに国をつくったのが問題。今回の事件も、結局はイスラエル問題が発展してきたものだと思います。


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私がここで言いたいのは、テロというのは許せない。日本人では日本赤軍の岡本公三がテロリストの最たるものなのでしょうが、イスラムのあの聖戦・ジハードをしている人たちから見れば大英雄であり、憎むべきテロリストと英雄は表裏一体。ですからビン・ラディンは、ひょっとしたらマホメット以来の宗教者として名を残す英雄になるかもしれない。そういうイスラムの非常に根深い問題がある中で、アメリカの尻馬にのって簡単に自衛隊を出すような事がいいのですか?一部では、日本でアフガニスタンとの和平会議を開いてはどうかといった意見も出されていたが、もうできない。もう中立ではなくなってしまっている。今まで日本もアフガニスタンにずいぶん援助してきた。それも水泡に帰してしまうかもしれない。アメリカは若く、力がある国です。日本、アジア、ヨーロッパの歴史のある国が、もうちょっと知恵を出してうまくアメリカをたしなめるような事が出来ないか、そういう態度をとるべきではなかろうかと思うのですが、今の小泉さんではできません。今の日本の政治では、絶対に無理だと思います。日本は、テロリストの対象にならないためにも、独自の外交戦略をしなければならないと思います。

最後にもう一つ、今我々はタリバンというのを、何をしでかすかわからない、けったいな連中だと見ていますが、60年前、我々日本人が欧米からそういう風に見られていたことを、絶対忘れないで欲しいのです。太平洋戦争がはじまる前、日本人の国とはどういう国だったのか、現人神(あらひとがみ)に統率された国がアメリカ、イギリスを鬼だ畜生だと見ていた、そういう国だった。今、我々がタリバンをさめた目で何をする連中だろうと見ているのと同じように、欧米からも見られていた、ということを、絶対に忘れないで欲しいと思います。


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