 |  | 第159回国会 衆議院 総務委員会 会議録 (2004年3月23日) |  |
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 | 佐田委員長 | 次に、岡島一正君。
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 | 岡 島 |
民主党の岡島一正でございます。 きょうは、先ほどからの質問の中で、NHKビジョンの中からの質問が多いようでありますが、私も、三年前にNHKを退職するまでは、NHKビジョンがよく出ていましたけれども、あのころはなぜか、仕事が忙しかったこともありまして、余り詳しくは、日常的に読むということはありませんでしたが、やめてみますと、あれを読まないとわからないということで、必死に読ませていただきました。
NHKビジョンをいろいろ見させていただきますと、NHKビジョンの中で特徴的なことは、放送のデジタル化が進むことによって、いわゆる放送と通信といったものの融合が技術的に進むという中では、そういった放送と通信の融合した中での新しい放送サービス、あるいは、言いかえれば放送通信サービスとなるかもしれませんが、そういったものに挑戦するという視点が書かれておるというふうに私は思っています。
放送と通信というのは、私も、インターネットが入り出したころというのは、特派員をしていたころだと思いますけれども、これは便利かなと思いつつも、当初は、情報が思ったほどなかったり、あと、情報の裏といいますか、クレジット、信頼性がどこにあるのか全くつかみようがないとかありまして、これはテレビとは全く本質的に違うというふうに見ておりました。
特に、テレビというのは、機械的な意味もありますが、テレビのニュースというのは、ほかの情報番組も含めて、取材する取材者というのがいて、その取材者が地べたをはいつくばってとった情報で社会情勢を見きわめつつ提供していく、そういった情報が、テレビの前に座りさえすれば正しい情報、あるいは正しくないこともあるかもしれませんが、いずれにしても必要な情報が流されるということだと思います。それが、視聴者にとって必要な情報をとれるという利便性もあるわけです。そこにいれば今の動きがわかる。
一方で、インターネットの方は、先ほど申し上げましたが、情報がもうありとあらゆるところから入手できる。古い情報もかなり入手できる。ただ、インターネットはパソコンさえあればどこでも見られるというものの、一方では、インターネットの情報というもののクレジット、情報の信頼性はどこにあるのかということに関してはテレビに及ばない部分もある。特に日本の社会情勢などを踏まえたニュース、情報がどれほどのものかということについては、非常に見きわめも難しい。自己責任に負うところが大きい。さまざまあります。
いずれにしても、テレビとインターネット、そこにいれば見られる、信頼ある情報がとれるテレビ、また、インターネットはどこでも情報がとれる、そういった融合が進んでいるということになりますと、お互いの長所を取り込んでいけば、新しい意味での、もう既にインターネットの世界ではインターネット放送局という言葉もあって、そういった名前で運用しているところもあります。
インターネットとテレビといったものの融合の中での新しいものを考えれば、テレビが持ち得ているけれども実現していないものでいえば、先ほどの質問にもあったようですが、いわばサーバー型の放送といいますか、歴史的な記録などを踏まえた過去の放送を含めて、過去というのは、今を過ぎたものは全部過去ですから、そういったサーバー型放送の可能性について、それこそがインターネット放送との融合だと私は思うわけです。
その実現の可能性について、これは技術的なものや資金的なものや法律的なもの、それぞれ課題があるかとは思いますが、技術的なものを踏まえて、サーバー型放送が実現できればインターネットの利便性とテレビの信頼性を踏まえた放送が可能になる、これについてのNHK側の実現の見通し、また課題の克服などについてお伺いしたいと思います。
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吉野参考人 |
お答えいたします。 サーバー型放送というのは、今御指摘がありましたように、受信機の中にサーバーと言われる大容量の蓄積装置を備えまして、一回この蓄積装置に番組を蓄えた上で利用する放送システムであります。
サーバー型放送では、番組そのものに加えまして、番組名でありますとか取材地あるいは出演者といったいわゆるメタデータ、そういったデータを同時に放送いたします。そして、視聴者は、そのデータを利用いたしまして、見たい番組とかあるいは気に入った場面をその中から探し出して好きなときに見られるようにする、そういったシステムでございます。
また、このサーバー型の受信機では、ブロードバンドに接続可能なようなネットワーク設備も備えておりますので、ブロードバンドとの一体の運用ということも可能になります。
現在、NHKなどの放送事業者、それから受信機メーカーあるいは通信事業者などで研究の場を設けまして、受信機の標準的な仕様などの技術的な課題や新しい権利保護のルールなどについて検討を重ねております。
このうち、技術的な課題については、ことしじゅうに一定の結論が出る予定であります。したがいまして、サーバー型の受信機の実用化の時期でありますけれども、これは現在まだ決まっておりませんけれども、技術的には平成十七年から十八年度ごろには可能になる、そういうふうに考えております。
一方、このサーバー型放送というのは録画を前提とした放送であることから、新しい権利保護のルールについては今後とも関係者と検討して進めていくことが必要になります。こうした観点から、NHKの放送技術研究所では、サーバー型放送で必要とする著作権管理や顧客管理ができる高度なCASシステム、いわゆるコンディショナル・アクセス・システムでありますけれども、こういったものの開発を進めております。
NHKでは、サーバー型放送において、どのような番組を対象としてどれほどのメタデータを付与したらいいのか、あるいはメタデータを作成する労力とか経費は一体どのくらいかかるのかなど、サービスのあり方についてはさまざまな観点から検討を行い、実施の可能性を今探っているところであります。
NHKのビジョンで示したように、新しいサービスに関しては、視聴者のニーズとか公共放送にふさわしいサービスの内容のあり方、あるいは機器の普及とかサービス実施の経費とか財源のあり方など、さまざまな課題があります。多角的な観点から積極的に検討を行っていきたい、こういうふうに考えております。
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 | 岡 島 |
技術的なことに関してはかなり可能性はあるし、可能だろうと思います。 放送と通信のもう一つの違いは、それを管轄する法律が違うというふうに思います。放送の場合は放送法、特にNHKの場合は放送法というものの枠の中で自由な報道をどれだけできるかということに挑戦しているわけですが、それに加えてインターネットなどは電気通信事業法というのがありますが、そういう法律の観点などを踏まえて、このサーバー型放送の課題などについてどのようにお考えでしょうか。
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 | 和崎参考人 |
今、先生、新しいサーバー型放送というような中でどうしたサービスを行っていくかということの、二つの法律の観点からの御指摘だと思うんですけれども、できるだけ新しい技術を生かしたサービスを行っていくということがまず前提かと思いますし、NHKとしては、やはり放送というものに立脚した上でのサービスを行っていきたいというぐあいに現時点では考えております。
ただ、その上で、より視聴者に魅力的なサービスを行うためには、放送法で規定されている部分、あるいは今先生御指摘の電気通信事業法で規定されている部分の新しい整合といいますか、制度の上での融合といったようなことも我々は必要になってこようかと思っていますが、現時点では、あくまでも放送法にのっとった上での延長線上の中で我々は考えているというところでございます。
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 | 岡 島 |
法律については、今後、新しい時代の放送のあり方、既にインターネット放送局という言葉もあるような時代においての新しい法律のあり方などについては、またいずれ私どもも勉強して御質問を総務省などにもしていきたいと思っています。
次に、ビジョンの中には携帯端末の話も出てきます、携帯端末による放送が可能だと。この時期については先ほどの質問にもありましたけれども、私は、携帯端末の放送というのは非常に重要だと思っています。
地下鉄サリン事件が起きたときに私はたまたま、あのころはアジアのニュースのデスクでしたから、出勤途中に救急車がわんわんわんわん走っていました。私も何かわからずに、デスク席に電話しましても電話が通じませんでした。ああいった場合に、携帯電話で、テロが起きたというような緊急情報を流す。
あるいは、NHKは、私が沖縄にいたころに緊急警戒放送というのがありました。津波が来ると、切れているテレビは自動的について、津波が来る、危険だというのを知らせるという放送がありました。ただ、緊急警戒放送というのは、日中テレビがあるところに座っている人は仕事をしていない人ですから、海で働く人たちなどには余り意味がなかったということもあったのかどうか、思ったほどの普及はなかったと私の記憶ではあります。
しかし、もし、緊急事態についての警戒放送を携帯端末に流す技術、そういったものができれば、私は、神奈川西部地震だとか房総沖地震、東海地震、あるいは今言われるテロ、そういった緊急事態に公共放送が危険な情報を流す、それを携帯端末がすることができれば、これは先ほど大臣がいろいろおっしゃっておった国策にまさにかなうものだ、また時代のニーズにも応じていると思いますが、それについて会長はいかがでしょうか。
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 | 海老沢参考人 |
私どもは、いろいろな情報を集めておりますし、そして、特に自然災害あるいは有事の場合にいち早く国民に知らせるのが使命でございます。そういう面で、今、新しい携帯端末なり、いろいろな端末が出てきております、そういう伝送路にいつでも対応できるように、いつでも放送できるようにするのが我々の使命であろうと思っております。
そういう面で、私は、たびたびこういう席で、公共放送の使命として、どんな伝送路でもNHKのそういう災害あるいは緊急の報道ができるようにさせてもらいたいと言っているわけであります。そういう面で、今御指摘のように、新しい携帯端末にそういう情報が流せるように努力していきたいと思っております。
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 | 岡 島 |
これは本当にぜひ私は実現すべきものだというふうに考えております。それによって多くの人の命が実際救われるということが私の取材体験の中にもあります。情報がなければ幾ら銃があっても人の命は守れないというようなことも、私は戦争取材で経験しました。国内においては、少なくとも情報を出せるという携帯電話の体制を構築すべきだと私は思っています。
次に、ビジョンの中に、地上デジタルによって県域ローカル放送が始まる、十月から茨城なども始まるということになっているそうです。千葉の方の、私は選出の議員ですけれども、千葉テレビというのもあります、昭和四十六年にできました。先日、千葉テレビの社長とか仲間と話もしてまいりましたけれども、県域ローカル放送は、ある意味で、NHKがそういった細かい情報を県域単位で放送することを望むニーズがあるのは、私もいたころは感じました。
また一方で、県域で既に放送している民放の県域ローカルUHF局からすれば、もしNHKがそこに参入してくれば、今後、自分たちの経営が危うくなる、あるいは、放送の情報量なども含めてなかなか対抗しがたいというような懸念もあるようです。
そういった意味で、関東県域でのローカル放送についてのNHKのお考えを会長にお伺いします。
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海老沢参考人 |
NHKが関東地方の県域放送に乗り出すことについて、いろいろ民放さんの方から一部そういう懸念の声を聞くことは、我々も承知しております。
どこの県でも、関東以外はすべてNHKと民放の県域放送が両立しているわけですね。共存体制をしておるわけであります。お互いに競争的な立場で切磋琢磨しながらニュースを出し、番組を出しているわけであります。そういう面で、お互いに切磋琢磨しながら発展してきているのがこの五十年来の歴史であります。
そういう中で、関東だけが違うという論理は成り立たないわけで、私は、お互いに競争しながら、切磋琢磨しながら、それぞれの立場をわきまえながら放送をすれば共存共栄できるものと確信しております。
そういう面で、あくまでも視聴者の立場に立って、いい放送、質のいい豊かな番組を提供していけば、私は、民放さんもNHKも一緒に両方両立できるだろう、そう思っております。
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 | 岡 島 |
最後に一つだけ質問させてください。
私は特派員をずっとやっていましたから、世界に行くと、時差があります。そういった意味では、今のイラクと日本もそうです。情報は二十四時間世界を飛び回っているわけです。日本国内もさまざまな、民間の商店なども含めて、二十四時間営業というのが広まっている。社会は二十四時間によって動いているというふうに感じられます。実態です。
そういった意味では、ニュース情報も、二十四時間チャンネルを設けていつでも対応できる、ニーズに対応できる、そういう体制が必要かと思いますが、この二十四時間チャンネル放送についていかがお考えか、会長のお考えをお伺いします。
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 | 佐田委員長 |
持ち時間が過ぎておりますので、簡略にお願いします。
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 | 海老沢参考人 |
御承知のように、通信、放送の技術の革新が進み、そしてまた、各国による規制緩和等によって、今、世界どこでも国境を越えるテレビ時代になりました。いつ、どこで、何が起こっても、瞬時にして、即座にして情報が世界に伝わる時代であります。
そういう中で、今、世界の十五の国・地域、二十四の放送機関が二十四時間ニュースを放送しております。そういう中で、日本だけがそういうチャンネルがないという方が異常でありまして、私どもは、こういう国際化時代、情報時代に向けて、世界に向けて、また日本国内に向けて二十四時間放送を、ニュースチャンネルを設けて視聴者のニーズにこたえていきたい、そう思っております。
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 | 岡 島 |
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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